医道審議会の医師専門研修部会(部会長=遠藤久夫 国立社会保障・人口問題研究所所長)は15日、新専門医制度における2019年度の専攻医登録を前に、厚生労働相から日本専門医機構と基本領域18学会に対する意見・要請事項の案を、部会長一任の形で了承した。厚労省は数日以内に機構と学会に通知する。専攻医登録は、機構による意見・要請への回答の後となり、早ければ10月第4週中にも開始される見通しだ。
7月に成立した改正医師法では、新専門医制度に関する都道府県の意見を厚労相が聴いた上で、医師のキャリアや地域医療の観点から、機構と各学会に必要な措置の実施を要請できる仕組みが設けられた。
厚労相から機構への主な要請事項は、▽早急に専攻医募集のスケジュールを公表し、全診療科の研修プログラム情報(連携病院の情報を含む)を厚労省へ提出する時期を明らかにする、▽問い合わせに適切に対応できるよう事務局機能を強化する、▽専攻医の大都市集中に関してエビデンスに基づき検証する、▽合理的な理由(出産・育児・介護・留学等)がある場合に柔軟な研修カリキュラム制による研修を行うよう各学会に通知する、▽地域枠医師が各都道府県内のプログラムに優先的に採用される仕組みを整える―など。
2018年度の専攻医採用数については、カリキュラム制を含めると、4領域(小児科、精神科、耳鼻咽喉科、泌尿器科)で大都市圏のシーリング(採用上限)の超過があったことが判明している。4領域の学会に対しては、シーリングの厳密な遵守を求める。