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頭頸部癌診療における免疫チェックポイント阻害薬の役割

No.4935 (2018年11月24日発行) P.61

竹本洋介 (山口大学耳鼻咽喉科)

山下裕司 (山口大学耳鼻咽喉科教授)

登録日: 2018-11-27

最終更新日: 2018-11-20

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【頭頸部癌でも免疫チェックポイント阻害薬の有効性が認知されつつある】

免疫チェックポイントであるPD-1を標的とした免疫療法が頭頸部癌にも適応となった。共抑制分子を制御することで,抗腫瘍効果を得ることができる。

ニボルマブはPD-1に対するヒト型IgG4モノクローナル抗体である。根治切除不能な悪性黒色腫を効能・効果として,2014年に世界に先駆けてわが国で発売された免疫チェックポイント阻害薬である1)。頭頸部癌領域では,プラチナ製剤の投与歴のある再発・転移頭頸部扁平上皮癌に対する治療として,第3相試験(CheckMate 141)が実施された2)。1年生存率では担当医選択治療群16.6%に対してニボルマブ群36.0%と長期生存において有意差を認める結果となった。また,6カ月無増悪生存期間(PFS),奏効率ともにニボルマブ群で良好であった。治療関連有害事象もニボルマブ群は担当医選択治療群よりも頻度が少なく,重篤な有害事象の頻度も低かった。この試験結果により,わが国でもプラチナ製剤抵抗性の再発・転移頭頸部扁平上皮癌に対してニボルマブが承認された。

これまで,再発・転移頭頸部癌に対する治療の選択肢は,プラチナ製剤,5-FU,セツキシマブなどの限られた治療法しかなかったが,ニボルマブの登場により標準治療が大きく代わる可能性が示唆されている。

【文献】

1) 田原 信:日耳鼻会報. 2017;120(4):510-1.

2) Karabajakian A, et al:Future Oncol. 2018;14 (7):603-9.

【解説】

竹本洋介,山下裕司 山口大学耳鼻咽喉科 *教授

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