厚生労働省は23日、2019年度中の本格導入(制度化)に向けた医薬品・医療機器の費用対効果評価に関する骨子案を示した。評価の対象は、革新性が高く保険財政への影響が大きい品目とし、制度化以後の新規収載品ではピーク時市場規模の予測が50億円以上、既収載品では市場規模が1000億円以上の品目を中心に、年4回の保険収載の機会に選定する。評価の結果は保険償還の可否の判断に使うのではなく、いったん保険収載した上で価格の調整に活用する。
骨子案は、23日に開かれた中央社会保険医療協議会の合同専門部会に提示されたもの。厚労省は近く実施する関係業界からのヒアリングの結果も踏まえつつ、3月までに骨子を取りまとめる方針。
骨子案によると、制度化後の費用対効果評価では、保険収載時に中医協が品目を選定した後、企業による分析、新設の専門組織による分析(公的分析)の順に実施し、総合的評価を経て、中医協で最終評価と価格を決め、価格調整(再算定)を行うという流れになる。分析プロセスには約1年~1年半、総合的評価と価格決定には3カ月程度の期間が見込まれる。
評価対象品目の選定では、患者アクセスの制限や企業の開発阻害を避ける観点から、稀少な疾患や小児のみに用いられる品目については、市場規模が350億円以上のものなど一部を除き対象に含めない。抗癌剤は評価対象に含めるが、総合的評価・価格調整で一定の配慮を行う。
試行的導入を行っている現在の体制を踏まえると、年間10品目程度が評価の対象に選定される見込みだ。