1 創傷治療における局所陰圧閉鎖療法(NPWT)の位置づけ
・NPWTとは何か?
・NPWTはどのような創部に有効か?
・NPWTのこれから(洗浄の併用,縫合創への保険収載)。
2 わが国で使用可能なNPWTの種類
・電動のものからバネによる陰圧形成を利用したもの,大型のものから小型のものまで様々なバリエーションがある。
・入院治療・外来治療とでは保険適用が異なる。
3 NPWTを使いこなすコツ─創縁の保護
・NPWTで使用するフォーム材を健常皮膚に直接あてると皮膚障害を起こす。
・皮膚障害を予防するためにサージカルテープなどを介在させる。
・介在物は条件が同等であれば安価なものが望ましい。
4 NPWTを使いこなすコツ─痛みの緩和
・交換の際,フィルムの剝離時,フォームの除去時に疼痛が起こりうる。
・フィルムを剝がすときは剝離材を用いる。
・フィルムは代替として,シリコン粘着材付きのものを使用する場合もある。
・フォームと創部の間に,メッシュ状の材料を介在させるのも有効である。
5 NPWTを使いこなすコツ─ストーマ近傍への利用
・NPWTでは,フィルムの貼付面積が小さいとエアリークを起こしやすい。
・ストーマ増設後の腹部離開創では,ストーマと腹部の離開創部分までの距離が短く,貼付面積の確保が課題となる。
・シリコン粘着材付きテープを使用することで,ストーマとNPWTのフィルムとの重ね貼りができ,貼付面積を有効に利用できる。
6 NPWTを使いこなすコツ─洗浄を付加したNPWT
・NPWTは半閉鎖環境を形成するため,感染のある部分には使用を避ける。
・洗浄を付加することで,ある程度の感染にも対応が可能となった。
・洗浄法は,洗浄カニューレを創部に留置して持続的に洗浄するNPWTciと,間欠的に全体を洗浄するNPWTi-dに分類される。
7 NPWTを使いこなすコツ─縫合創への使用<
・手術後の縫合部分に陰圧を付加することで手術部位感染(SSI)の発生を軽減できる。
・わが国での保険適用対象は厳しく制限されているため,症例選択に注意が必要である。
・現在,わが国で使用可能な機種は2種類ある。
8 まとめ
・NPWTは創傷治療に有用なツールのひとつである。
・適切に使用してこそ効力が発揮される。