【質問者】
花岡洋成 慶応義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科 講師
【微々たる病的所見を無侵襲かつリアルタイムに教えてくれ,診察技術の向上にもつながる】
「先生,関節が痛いんです……」。リウマチ専門外来に従事する者であれば連日耳にする患者からの主訴です。関節痛ひとつをとってみても,変形性関節症をはじめとした変性疾患から関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)などの自己免疫性疾患まで多数の鑑別疾患が挙がります。問診による患者情報と照らし合わせながら,医師の基本的な姿である「視て,聴いて,触って」で見当をつけ,血液検査,画像検査(単純X線検査など)と診断へのプロセスを進めていきます。しかし,血液検査も初診時は過剰な項目をオーダーしたり,単純X線検査といえども放射線被曝は皆無ではありません。
そこで重宝されるのが関節超音波検査(musculoskeletal ultrasound:MSKUS)です。MSKUSはエコープローブ(ultrasound probe:USP)をゼリーとともに体表面に当てるだけで無侵襲かつリアルタイムに筋骨格系組織を描出可能です。
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