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3D画像による手術支援

No.4947 (2019年02月16日発行) P.58

陳 豊史 (京都大学呼吸器外科講師)

登録日: 2019-02-16

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【3D画像の導入で,胸腔鏡手術(VATS)がより安全に行えるだけでなく,前例のない手術を安全に計画できるように】

コンピュータ支援設計(CAD)は,従来,航空機や車両の設計などの分野で使用されてきたが,現在では,医療の世界に応用されはじめている。呼吸器外科領域でも,3次元(3D)CT画像を用いた手術支援が頻繁に行われるようになり,外科医自らが,患者のCTから必要とする手術の3D画像を作製できる手術支援ソフトも開発され,臨床応用されている1)

胸腔鏡手術(VATS)の普及とともに,現在,肺癌に対する根治術としての胸腔鏡下肺葉切除術(VATS lobectomy)が確立した。また,さらに難易度が高い区域切除においても,完全鏡視下に行う胸腔鏡下肺区域切除術(VATS segmentectomy)が広く行われるようになった。VATSにおいては,術前の血管や気管支を解剖学的に把握することが非常に重要で,安全な手術の施行には,3D画像を用いた術前の血管や気管支の構造の確認が有用である。また,3D画像を用いて,区域切除術における区域間面の描出や,腫瘍と区域間面との距離なども事前に計測することができるようになった。

さらに,前例のないような手術の実施において,事前の3D CADや3Dプリンターを用いたシミュレーションが有用である。肺移植における世界初の術式である「反転生体肺葉移植(ドナーの右下葉を左胸腔に反転して移植する)」の安全な施行に,3Dモデルが大きく役立った2)

【文献】

1) Chen-Yoshikawa TF, et al:Gen Thorac Cardiovasc Surg. 2018;66(1):19-26.

2) Chen F, et al:Am J Transplant. 2015;15(6):1716-21.

【解説】

陳 豊史 京都大学呼吸器外科講師

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