【質問者】
吉野公二 がん・感染症センター都立駒込病院皮膚腫瘍科部長
【リンパ節転移の数に応じた集学的治療】
外陰部パジェット病〔外陰部に発生した乳房外パジェット病(extramammary Paget disease:EMPD)〕のリンパ節転移例に対する治療方針についてお答えします。
浸潤性EMPDに対するセンチネルリンパ節生検術(sentinel node biopsy:SNB)の結果を検討した報告では,臨床的に腫大している状態では有意に予後不良でした1)。また,301例をretrospectiveに解析したOharaらの報告では,リンパ節転移数が2個以上あること,原発巣の腫瘍厚(tumor thickness:TT)4mmを超えるもの,リンパ管侵襲が予後不良因子であることが示されています2)。EMPDにおける多発リンパ節転移とは強い予後不良因子であり,ほぼがん性リンパ管症を起こしている状態と予想されます。
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