株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

進行期外陰部パジェット病の治療方針は?

No.4949 (2019年03月02日発行) P.57

吉野公二 (がん・感染症センター都立駒込病院皮膚腫瘍科部長)

上原治朗 (旭川医科大学皮膚科学講座講師)

登録日: 2019-03-04

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 外陰部パジェット病は進行が緩徐ですが,時にリンパ節転移を起こすことがあります。しかもリンパ節転移数が予後に影響すると言われており,リンパ節郭清を行うことで予後を改善させるかも不明です。リンパ節転移例に対する治療方針について,旭川医科大学・上原治朗先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    吉野公二 がん・感染症センター都立駒込病院皮膚腫瘍科部長


    【回答】

    【リンパ節転移の数に応じた集学的治療】

    外陰部パジェット病〔外陰部に発生した乳房外パジェット病(extramammary Paget disease:EMPD)〕のリンパ節転移例に対する治療方針についてお答えします。

    浸潤性EMPDに対するセンチネルリンパ節生検術(sentinel node biopsy:SNB)の結果を検討した報告では,臨床的に腫大している状態では有意に予後不良でした1)。また,301例をretrospectiveに解析したOharaらの報告では,リンパ節転移数が2個以上あること,原発巣の腫瘍厚(tumor thickness:TT)4mmを超えるもの,リンパ管侵襲が予後不良因子であることが示されています2)。EMPDにおける多発リンパ節転移とは強い予後不良因子であり,ほぼがん性リンパ管症を起こしている状態と予想されます。

    残り625文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top