3月に募集したアンケートでは、新薬開発を期待する領域とメーカーについてお聞きしました。
新薬開発を期待する領域(表1)で最も多かった回答は「精神・神経疾患」と「がん・悪性腫瘍」、注目しているメーカー(表2)として最も多かったのは武田薬品工業でした。武田薬品については「海外企業を統合し、iPS細胞の研究にも関与している」(内科医)、「一大メーカーですから」(内科医)など、シャイアー社を買収してメガファーマとなった“日本の巨大資本”としての創薬に期待する声が多く見受けられました。
精神・神経疾患領域では、アルツハイマー型認知症の新薬の登場を待ち望む声が多く、「アリセプト」を生んだエーザイに「さらなる躍進を」(内科医)と開発へのエールを送る声がありました。
「がん・悪性腫瘍」では呼吸器の腫瘍を挙げる声が多く、生存率の不良な膵癌に対する画期的新薬を望む声も目立ちました。免疫チェックポイント阻害薬の「オプジーボ」は様々ながん種への適応拡大が続いていますが、ファーストラインで使用可能になることを望む声など、さらなる適応拡大への要望が製造販売元の小野薬品工業への期待につながっているようです。
糖尿病については、新規インスリン製剤の登場を望むコメントが複数みられ、経口GLP-1製剤の開発を進めるノボノルディスクファーマに注目しているとの声がありました。
感染症領域では“ニッチな感染症”に対する抗菌薬を望む声が上がっており、MSDやファイザーがそうした領域に力を入れている企業として評価されていました。