皮膚リンパ腫は,皮膚を原発とする非ホジキンリンパ腫であり,WHO分類では腫瘍細胞の形質に基づき様々な病型にわけられている。T細胞性リンパ腫が圧倒的に多く80%程度を占め,その中で菌状息肉症が半数を占める。
皮膚悪性リンパ腫では,湿疹,乾癬など他の皮膚疾患との鑑別が難しい場合が多い。発症から診断まで6年を要したとする報告もある。既に他疾患の診断となっていても臨床像や経過が非典型的である場合は,病歴,病理組織像,免疫染色,T細胞受容体遺伝子再構成検査などを見直し,皮膚悪性リンパ腫を念頭に置いた診察を継続することが大切である。一般的に,菌状息肉症では境界明瞭な紅斑,扁平浸潤局面,結節を形成する。セザリー症候群では全体的なびまん性紅斑(紅皮症)を呈し,末梢血中に異型リンパ球(セザリー細胞)を認める。
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