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【他科への手紙】脳神経外科→内科・神経内科

No.4799 (2016年04月16日発行) P.47

太田貴裕 (東京都立多摩総合医療センター 脳神経外科医長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2021-01-05

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  • 脳梗塞治療の目的は、脳梗塞が完成する前に血流を再開通させることであり、アルテプラーゼ静注療法の有効性が確立し広く普及しています。しかし、脳主幹動脈閉塞症はアルテプラーゼ静注療法が導入されてからもその治療成績は決してよいものではありませんでした。以前はウロキナーゼを動注したりすることもありましたが、患者さんの予後を改善させるまでには至りませんでした。

    近年の脳血管内治療の進歩は目覚ましく、今では動脈を閉塞させている血栓を実際に回収し血流を再開通させることが可能になりました。超急性期(発症8時間以内)の脳主幹動脈閉塞症への有効性を示すランダム化比較試験が次々と発表され、2015年は歴史的な年になりました。主にステント型血栓回収機器、また血栓吸引デバイスを使用しますが、7月に改訂されたAHA/ASAのガイドラインにおいては、ある条件に当てはまる急性主幹動脈閉塞症に対して、アルテプラーゼ静注療法と血管内治療による血栓回収療法が同一のエビデンスレベルとして推奨されました。つまり、血管内治療による血栓回収療法は「やったほうがよい治療」ではなく「やらないといけない治療」になったということです。

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