中央社会保険医療協議会総会は29日、がんに関連する多数の遺伝子変異を一括して検出することで有効な治療薬の選択につなげる「遺伝子パネル検査」としては初となる検査製品の保険適用を了承した。保険収載は6月1日の予定。
保険適用が了承されたのは、中外製薬「FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル」とシスメックスが申請した「OncoGuide NCCオンコパネル」との2製品。いずれの検査も、検査実施料として8000点、検査結果の判断・説明料として4万8000点の計5万6000点を算定できる。
検査の対象となるのは、標準治療がない、または標準治療が終了となった固形癌患者のうち、主治医が検査実施後に化学療法の適応となりうると判断した場合。メーカーの予測では、ピーク時の使用患者数はいずれの製品も、販売5年目で約1万3000人程度。検査を実施できる施設は、「がんゲノム医療中核拠点病院」や「がんゲノム拠点病院」に限定する。
算定に当たっては、検査で得た遺伝子情報や臨床情報などを国立がん研究センター内の「がんゲノム情報管理センター」(C-CAT)へ提出することが求められる。医療機関は①検査の実施、②C-CATへのデータ提出、③C-CATによるデータの2次利用―の各段階で患者の同意を得る必要がある。②③で患者が同意しなくても、診療録にその旨記載すれば点数の算定は認められる。コンパニオン検査に用いた場合はパネル検査としての算定は認めない。
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