厚生労働省は29日、団塊ジュニア世代が高齢者になる2040年を見据えた「医療・福祉サービス改革プラン」と「健康寿命延伸プラン」を公表した。40年までの目標として、医療サービスの提供に関して、医師の業務については7%以上、医療従事者全体では5%以上の効率化を掲げた。健康寿命については40年までに男女とも75歳以上に延ばすとしている。近く策定される政府の『骨太方針2019』への反映を目指す。
改革プランは、同日に開かれた「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」(本部長=根本匠厚労相)で取りまとめられた。現役世代が急減し、労働力の制約が強まる中で、高齢者を含む「総就業者数の増加」と「より少ない人手でも回る医療・福祉の現場の実現」を目指すと謳っている。
医療・福祉サービスでは、単位時間当たりの生産性を高める目標を設定。医師の業務については、厚労省研究班が16年に10万人の勤務医を対象に行った勤務実態調査の結果を基に、ICT等による代替や他職種への移管が可能な業務時間が総労働時間の7.2%であると導き、「7%以上」の効率化を打ち出した。
医師のサービス提供の改善を測る指標(KPI)も検討することも盛り込んだ。入院医療では「1日平均新規入院患者数÷(病院の医師数×労働時間)」、外来医療では「診療所の外来患者数÷(診療所の医師数×労働時間)」で評価するとの考え方を提示している。
健康寿命については、40年までに16年比で男女とも3年以上延伸させ、男性75.14歳以上、女性77.79歳以上にすることを目指す。目標達成に向けては、適切な選択を自発的に採るよう誘導する「ナッジ理論」を採り入れ、健診・検診の受診勧奨など、予防と健康づくりにつながる取り組みを推進する。
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