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女性と運動─正しい運動で健康なからだを![プライマリ・ケアの理論と実践(19)]

No.4966 (2019年06月29日発行) P.6

伊東知子 (藤田医科大学 総合診療プログラム)

登録日: 2019-06-27

最終更新日: 2019-06-25

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SUMMARY
適切な運動は全年代の女性にメリットがあり推奨される一方で,誤った運動による健康問題も生じている。女性には各年代に特有な体の変化があり,筋骨格系だけでなく心理社会的問題も含まれ,積極的な介入による改善が期待される。

KEYWORD
月経異常
月経異常は単なる月経周期の乱れととらえず,視野を広げて診るべき病態である。運動由来の月経異常があり,原因は心理,栄養,運動量など幅広く,健康問題も深刻な摂食障害,直近の疲労骨折から数十年後の骨粗鬆症にまで及ぶ。

伊東知子(藤田医科大学 総合診療プログラム)

PROFILE
静岡家庭医養成プログラム,滋賀家庭医療学センター後期研修を終了後,CFMD東海指導医を経て,藤田医科大学総合診療プログラムにおいてレジデントを指導。日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医・指導医,日本体育協会認定スポーツドクター

POLICY・座右の銘
仕事も遊びも全力投球


1 スポーツ・運動をする女性とそのケア

歴史的にスポーツ・運動は男性のものであったが近年,トップアスリートだけでなく一般人口でも運動をする女性は増えている。週1回以上運動・スポーツをする女性は,1991年から2017年で26.7%から49.9%に増え,男性の53.0%とほぼ同じレベルに達している1)

包括的に人を診ることができ,他職種や社会と連携が取れるプライマリ・ケア医は,欧米でもスポーツの領域で大きな役割を果たしている。

2 各年代でのチェックポイント

1 小児期

思春期前の子どもは骨端部に繰り返しの張力がかかると膝,踵,肘の痛みを訴えることがある(骨端線障害)。また二次性徴による体の変化に関しては個人差があり,羞恥心からも親や学校の先生,友人に相談できずに悩むことがある。相手が男性の場合,さらに相談するのは難しいであろう。

体育の授業では,学校の先生からの配慮も必要になるかもしれない。激しい運動をしていると,一般的な子どもたちより初経がやや遅くなるというデータがある。15歳になっても月経がない場合は婦人科もしくは小児科専門医受診を勧めて頂きたい(遅発性月経/原発性無月経の可能性)。

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