胎生期の発生異常(胎生5~6週頃に形成される第1・第2鰓弓由来である6つの耳介結節の癒合不全)に伴う先天性疾患で,外表奇形のひとつである。一側または両側の耳輪脚前上方に瘻孔を認める耳輪脚前部型が最も多く約85%を占め,次に耳輪脚型が10%程度であるが,そのほかの部位にも生じることがある。両側性が約25%であり,一部に家族性が指摘されている。有色人種に多く白色人種には少ないとされる。深部の瘻管は1本のものから分岐しているものまで様々であるが,いずれも盲端となって終わる。無症状で経過する例も多いが,感染を契機に膿瘍を形成し二次性の瘻孔を形成することもある。
外表奇形であり,視診で診断は容易である(図)。稀に耳輪脚部の瘻孔感染が耳後部に生じることがあるため,注意を要する。加えて,摘出術後に遺残があり,感染をきたした場合には瘻孔がない場合もある。
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