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インフルエンザウイルス抗原検査の陽性率について

No.4972 (2019年08月10日発行) P.53

森永芳智 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 病態解析・診断学講師)

鈴木広道 (筑波メディカルセンター病院感染症内科・ 臨床検査医学科診療科長)

登録日: 2019-08-11

最終更新日: 2019-08-06

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  • シーズンになるとインフルエンザの診断のために抗原検査が広く使われますが,疑っていても陽性にならない場合があります。私たちの検証もふまえて抗原量が少ないことを念頭に入れて診療しますが,実際のところ,インフルエンザウイルス抗原検査は発症から検査までの時間で陽性率が変わるのでしょうか。筑波メディカルセンター病院・鈴木広道先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    森永芳智 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 病態解析・診断学講師


    【回答】

    【一般的に第2~3病日で高くなる】

    インフルエンザウイルスは発症1~2日前から患者の気道から検出され,多くの場合で発症後7日までに,遺伝子検査での検出感度以下となります1)。目視で抗原検査を陽性と判定するには,6 log10 copies/mL程度のウイルス量が必要とされています2)。メタアナリシス解析では,インフルエンザ抗原検査の感度は,成人を対象とした場合で54%(信頼区間:48~60%),小児を対象とした場合で67%(信頼区間:62~72%)と報告されています3)

    米国において2018年末に「インフルエンザ診療ガイドライン」が改訂され,目視でのインフルエンザ抗原検査は推奨されず,特に入院患者では用いるべきではないと記載されました4)。インフルエンザ抗原検査の中でも,デジタル免疫測定法は感度が高く,80%(信頼区間:73~86%)と報告されています5)

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