令和時代を迎えて心臓リハビリテーション(心リハ)は新時代の変化に合わせた進歩が求められている。現在,心リハの対象患者は高齢者が急増しており,対象疾患は心不全が多くを占めているが,今後はこの傾向がさらに顕著になると思われる。2018年12月に成立した「脳卒中・循環器病対策基本法」(正式名称:健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法)では,このような時代の変化に呼応して,生命予後の延長に加え再発を予防し,自立した生活を送ることができる診療システムの構築が目標に掲げられ,心リハの需要はますます高まることが予想される。これからは,薬物治療やインターベンションと並行して,運動療法のみならず,疾病管理プログラムとしても機能する包括的心リハプログラムを,多職種チームで積極的に実践することが求められている。
1 心臓リハビリテーションの対象疾患とその実力
小笹寧子(京都大学医学部附属病院循環器内科)
2 高齢心疾患患者に対する運動機能評価と運動療法の実際
高橋哲也*1,森沢知之*2(順天堂大学保健医療学部 *1教授 *2准教授)
藤原俊之(順天堂大学大学院医学研究科リハビリテーション医学研究室主任教授)
横山美帆,島田和典*1,代田浩之*2(順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学 *1先任准教授 *2特任教授)
3 疾病管理プログラムとしての心臓リハビリテーション
窪薗琢郎(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心臓血管・高血圧内科学講師)