直接経口抗凝固薬(DOAC)は、簡便性などから実地医家の先生にも使いやすい薬剤として処方される機会が増えており、その適応や出血合併症のリスクが盛んに議論されています。8月募集のアンケートでは、DOACの使用について伺いました。
まずQ1でDOACを日常診療で処方する機会があるかどうかを尋ねたところ、「頻繁に処方している」という方が約34%、「ときどき処方している」という方が約32%と、約3分の2の先生がDOACの処方をする機会があるという結果でした。
一方、「抗凝固薬を処方することはほとんどない」と回答された方は約27%で、診療科別では精神神経科や小児科の先生が目立ちました。なお「DOACは使わずワルファリンを使う」という方も約6%いらっしゃいました。
次にQ2では、最も処方しているDOACと、その薬剤を一番多く処方している理由を伺いました。
その結果、1位はリバーロキサバン(約46%)で、「データが充実している」「患者のアドヒアランスが良い」などのご意見を頂きました。次点のアピキサバン(約24%)は「腎機能が低下した患者さんに使用できる」点を評価している方が多数でした。続くエドキサバン(約22%)は「1日1回服用であること」、ダビガトラン(約9%)は「中和剤があること」がそれぞれ、処方理由として挙がっています。
また、どの薬剤でも「MRとの関係」「使い慣れているから」との回答がありました。
今回は抗凝固薬全般に関する臨床上の疑問も同時に募集しました。出血の頻度やDOAC 4剤の使い分け、手術時の休薬期間について等、沢山のご質問をお寄せ頂き、ありがとうございました。こちらについては今後、「質疑応答」欄で専門家が直接回答します(質問の採否は編集部にご一任下さい)。
◉日本人のデータがある。(内科・勤務医)
◉エビデンスが多い。(内科・勤務医)
◉使い慣れており、1日1回投与で服薬コンプライアンスが良いから。 (内科・勤務医)
◉患者アドヒアランスが良く、効果もしっかりしているので。(内科・勤務医)
◉投与量が体重によって異なるが、60 mgの量を30mgとして1剤で利用できる。(内科・開業医)
◉当院で頻用されているから。 (整形外科・勤務医)
◉専門医からの紹介受け入れの関係上。(小児科・開業医)
◉メーカーへの信頼性。(内科・勤務医)
◉半減期が短く、腎障害のある患者でも使用できるので(海外では腎不全患者でも使用可能)。(内科・勤務医)
◉高齢で腎機能低下例に使いやすい。(内科・勤務医)
◉腎排泄が少なく、腎機能障害のある患者に使いやすい。(内科・勤務医)
◉問題となる出血イベントが少なく、使いやすい印象だから。 (内科・勤務医)
◉MRと友人の勧め。(内科・開業医)
◉1日1回服用で減量基準もあり、処方しやすい。(内科・勤務医)
◉1日1回投与で、腎機能低下症例への投与が可能。 (その他診療科・勤務医)
◉心房細動合併心不全患者に処方している(安全性等から)。(内科・勤務医)
◉院内採用されているのが本剤のみだから。(内科・勤務医)
◉中和剤がある。(内科・勤務医)
◉使用経験が多い。(内科・勤務医)