【質問者】
大谷清孝 きりんキッズアレルギークリニック院長
【A群溶連菌感染後のスクリーニング目的の尿検査の効果にエビデンスは乏しく,有症状者にのみ施行するのが適切】
A群β溶血性連鎖球菌(A群溶連菌)による上気道感染後1~2週間,皮膚感染後3~6週間に生じる腎炎を溶連菌感染後急性糸球体腎炎(poststreptococcal acute glomerulonephritis:PSAGN)と呼びます。
本症は血尿(5以上/HPF)もしくは蛋白尿,低補体血症,溶連菌先行感染の証明〔迅速検査陽性,培養検査陽性,抗ストレプトリジンO(anti-streptolysin O:ASO)高値など〕かつ他の腎疾患(ループス腎炎・膜性増殖性糸球体腎炎)の否定,を満たすことで診断できます1)。初発症状としては,眼瞼浮腫および肉眼的血尿が多いと報告されており2),ほかに高血圧,乏尿で気付かれるケースもあります。これら症状のうち,家庭でも認識可能な「まぶたの腫れ」や「コーラや紅茶のように色の濃い尿」が出現する可能性を患者・保護者へ十分説明しておくことが必要です。
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