群発頭痛は一側の眼窩,眼窩上部,側頭部に激痛を繰り返す一次性頭痛である。頭痛は15~180分,多くは1~2時間持続し,ほぼ毎日1~8回の発作が起こる。頭痛と同側に結膜充血,流涙,鼻閉,鼻漏,前額部および顔面の発汗,縮瞳,眼瞼下垂,眼瞼浮腫などの自律神経症状を伴う。発作時には落ちつきのなさや興奮した様子を伴う。群発期が数週~数カ月続く。寛解期には頭痛は起こらない。1~数年の周期で群発期を繰り返す。
元来,頭痛が群発することが「群発頭痛」の病名の由来であるが,現在では,一側の三叉神経第1枝領域の激痛と自律神経症状の随伴が重視されており,他の類縁疾患とともに三叉神経・自律神経性頭痛として分類されている。発作時にはスマトリプタンの皮下注,高濃度酸素吸入が有効である。群発期には予防療法を実施する。若年男性に多いが,女性の罹患者も増加している。
「国際頭痛分類 第3版」の診断基準に沿って診断する。前述の通り眼窩周囲の激痛と自律神経症状がポイントである。反復性群発頭痛は7日~1年間続く群発期が,3カ月以上の寛解期をはさんで2回以上ある。慢性群発頭痛は1年間以上頭痛発作があり,寛解期がないかあっても3カ月未満である。
群発頭痛の治療原則は,群発発作時の急性治療と群発期の予防療法である。寛解期は予防療法を行わない(エビデンスのある治療がない)。
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