厚生労働省の「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会」は6月29日、報告書案と市区町村や都道府県が「第8期介護保険事業(支援)計画」の策定に活用する手引きの案を大筋で了承した。座長預かりで文言の修正・調整をした後、最終的に取りまとめる。
2021年度から始まる「第8期介護保険事業(支援)計画」には、要介護者に対するリハビリテーション(生活期リハビリテーション)の目標やそれを達成するための取り組み、介護保険で実施するサービスの見込み量などを記載することになっている。検討会は、議論の対象を訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、介護老人保健施設や介護医療院で提供される短期入所療養介護の4サービスに絞り、計画策定時に参考にしてもらう指標などについて検討を重ねてきた。
市町村など向けの手引き案では、第8期計画策定の具体的手順について、▶第7期の振り返りを通して地域のリハビリテーションサービス提供体制として目指すべき理想像を明確化、▶その上で、理想と現実の乖離を分析して解決・改善が必要な課題を洗い出し、第8期の目標設定に反映させる―などの実施を求めている。第8期計画開始後はPDCAサイクルを回して、取り組み状況を確認・改善する作業を繰り返し、現実を目標に近づけていく。
計画の策定やその後の進捗管理の際には、ストラクチャー・プロセス・アウトカムの3つの観点を意識する必要があるとして、それぞれ具体的な指標を提示。ストラクチャー指標には、「サービス提供事業所数」、「定員」、「理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の従事者数」などを、プロセス指標には、「利用率」、「通所リハビリテーション(1時間以上2時間未満)の算定者数」、「リハビリテーションマネジメント加算II以上の算定者数」などを挙げた。アウトカム指標は、現時点で定めることは難しいと今回の設定は見送り、指標の考え方や例示を掲載するにとどめた。