厚生労働省は12月2日の社会保障審議会介護給付費分科会に、運営基準の改正などに関する案を示した。施設系サービスについて、入所者の状態に応じた口腔衛生管理や栄養管理の実施を義務づけることや、全サービスを対象にCHASEやVISITの活用を推奨することなどを盛り込んだ。
提案の中で厚労省は、施設系サービス共通の事項として、▶口腔衛生管理体制を整備し、入所者の状態に応じた口腔衛生管理を実施、▶栄養ケアマネジメントを基本サービスとして行うこととし、栄養士または管理栄養士を配置、▶入所者の状態に応じた栄養管理の計画的な実施―などを新たに求める考えを示した。いずれも3年間の経過措置を設けることを想定している。
居宅介護支援では、ケアマネジメントの公正中立性を確保する観点から、利用者への説明事項に、▶過去6カ月間に作成したケアプランにおける訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスの割合、▶同一事業所によって提供されたサービスの割合(各サービスごと)―を追加することを提案した。生活援助の訪問回数の多い利用者への対応では、区分支給限度基準額の利用割合が高く、訪問介護が利用サービスの大部分を占めるケアプランを作成する居宅介護支援事業所を事業所単位で抽出するなど、点検・検証の仕組みを導入する。
全サービスに共通する事項では、感染症や災害への日頃からの備えとして、感染症または災害発生時の業務継続に向けた計画の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施などを義務づける方針を打ち出した(3年間の経過措置を設定)。CHASE(高齢者の状態・ケア内容などのデータベース)・VISIT(通所・訪問リハビリテーション計画書などのデータベース)を活用した計画の作成や、事業所単位でのPDCAサイクルの推進なども提案。科学的介護やサービスの質向上を推奨する。