【質問者】
菊田英明 はせ小児科クリニック
【地域や国全体での一律の学校閉鎖は不要。必要に応じた対応を】
COVID-19の小児感染例における検討でわかってきたのは,下記の5点です。
①小児は成人と同じようにCOVID-19に感染する。
②同居家族から感染することが多いが,子どもから家族にうつすこともある。
③ウイルス排出量については報告によってばらつきがあるが,成人と同程度であると思われる。
④臨床症状は軽症ですむことが多く,また無症状者も多い。
⑤ただし,新生児は重症化する傾向がある。
インフルエンザとの比較では,COVID-19では軽症や無症状者が多く,ウイルス排出期間も長いため集団生活での対策が難しいことや子どもの感染がインフルエンザよりも社会全体の流行に影響しないこと,学校閉鎖はインフルエンザほど効果がないことがわかってきました。また,学校閉鎖による弊害も数多く報告されるようになりました。
2009年の新型インフルエンザ流行期に有効であった学校閉鎖が,緊急事態宣言時にCOVID-19対策として行われました。結果論ですが,全国一律に行った学校閉鎖がどれだけCOVID-19対策として有効であったか判断に迷うところです。COVID- 19への対応は人類にとって初めてのことなので,すべてが暗中模索かつ試行錯誤です。
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