厚生労働省は2月16日、新型コロナウイルス感染症から回復した高齢者の介護保険施設への受け入れを促進するため、退院基準を満たした患者を受け入れた場合に「退所前連携加算」を算定する臨時的な取り扱いを決め、同日付で都道府県などに事務連絡した。
対象は介護老人福祉施設(地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護を含む)、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設において新型コロナの退院基準を満たした患者を受け入れた場合とし、「退所前連携加算」として患者1人につき1日500単位を入所日から30日を限度として算定する。
回復患者の受け入れに際して、▶コロナ陽性時に治療に当たっていた入院医療機関や行政との連携、▶入院以前に利用していたケアマネジャー等と、退所後を想定したサービス調整を行うための利用していたサービスの確認と、それを踏まえたサービスの提供、▶健康観察・健康管理など看護師等の専門職によるケアを含む体制整備―などの手間がかかることに配慮した。介護保険施設における受け入れ体制を整えることで、医療機関の負担や病床の逼迫状況を改善する狙いもある。自施設から入院した患者を回復後に再度受け入れるケースは算定対象から外す。
ただ、2021年2月・3月サービス提供分で当該加算を算定する入所者の請求は、4月に介護報酬改定が控えていることから月遅れとし、5月審査以降に請求明細書を提出する扱いとする。具体的には、2月・3月サービス提供分の請求時には当該加算を除く、基本報酬や他の加算のみを請求。5月審査以降に保険者に過誤調整の申し立てを行った上で、当該加算分を含めて請求明細書を提出する。算定に際しては、こうした請求上の取り扱いも含め、事前に利用者から同意を得ることを要件として求める。