社会保障審議会介護給付費分科会の「介護報酬改定検証・研究委員会」は3月12日、2021年度介護報酬改定の効果検証に関する調査の内容やスケジュール案を大筋で了承した。調査は次期改定までの3年間、毎年行うが、21年度に関しては、介護医療院のサービス実態や、4月から従来のVISITとCHASEを統合して一体的運用を始めるLIFE(科学的介護情報システム)の活用状況など、4項目を取り上げる。調査実施は9月頃、調査結果のとりまとめは22年3月頃となる見通しだ。
21年度の調査テーマは、①介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究事業、②LIFEを活用した取組状況の把握および訪問系サービス・居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用可能性の検証に関する調査研究事業、③文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減に関する調査研究事業、④福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業―の4項目。
介護医療院が対象の①では、生活施設としてのサービスの提供状況や、療養病床から長期入院患者を受け入れた場合の評価として新設される「長期療養生活移行加算」の効果などを検証。介護療養型医療施設などからの移行予定や移行に伴う課題も探り、円滑な移行を支援する対策の検討に生かす。
②はLIFEへのデータ提出とフィードバック結果を踏まえたPDCAサイクルの推進という一連の取組について、特にリハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養などの多職種連携における実態を把握。24年度の次期改定に向け、訪問系サービスと居宅介護支援事業所における取組のモデル的な調査や、LIFE導入の際の課題も検証する。
また、22年度と23年度の調査テーマには、▶施設系サービスにおける口腔衛生管理、栄養ケア・マネジメントの取組の充実についての対応状況の把握と推進方策の検討、▶介護老人保健施設における在宅復帰・在宅療養支援機能指標・要件の見直しによる取組状況の把握と推進方策の検討、▶ADL維持等加算の拡充による影響の検証―などが挙がっている。