厚生労働省が3月16日に公表した2021年度介護報酬改定の関連通知で、訪問看護については、理学療法士をはじめとするリハビリ職が訪問した場合の訪問看護報告書の取扱いや「看護体制強化加算」の要件に追加される看護職員割合の運用などを明示した。
21年度改定では、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による訪問看護について、▶報酬単位の引き下げ、▶介護予防訪問看護を1日3回以上行った場合の減算率を10%から50%に厳格化―といった見直しが行われる。PTなどが訪問看護を行なった場合は、その実施内容の訪問看護報告書への添付を新規で求める。通知はこの別添文書の記載内容について、▶利用者氏名、日常生活自立度、認知症高齢者の日常生活自立度、▶PTなどが行った訪問看護、家族等への指導、リスク管理等の具体的内容、▶主治医に報告する直近の利用者の状態―などとすることを示した。
一方、訪問看護(介護予防含む)の「看護体制強化加算」では、訪問看護の提供にあたる従事者全体に占める看護職員の割合が6割以上であることを要件に追加する。看護職員の割合には常勤換算で算出した前月の平均を採用。当該割合が60%から1割を超えて減少した場合(54%未満)はその翌月から、1割の範囲内で減少した場合(54%以上60%未満)はその翌々月から、「看護体制強化加算」を算定できないこととする。施行は23年4月1日からだが、23年3月末時点で同加算を算定している事業所が急な看護職員の退職などで6割要件を満たせなくなった場合は、指定権者に定期的に採用計画を提出することで、採用までの間は要件の適用を猶予する。
訪問・通所リハビリテーションの「社会参加支援加算」は「移行支援加算」に名称を変更(単位数は据え置き)。リハビリ終了後に通所介護などに移行した利用者の状況を居宅訪問などで確認するよう求めていた要件は緩和し、電話による確認でもよいこととする。通所リハビリで算定する場合はさらに、▶リハビリ利用の回転率を25%以上から27%以上に引き上げる、▶評価対象期間中のリハビリ終了者のうち、通所介護などを実施した者の割合を現行の5%超から3%超に引き下げる―見直しも行う。
通所リハビリでは、「生活行為向上リハビリテーション実施加算」の見直しも行う。現在は「3カ月以内」(2000単位)と「3カ月超、6カ月以内」(1000単位)で2段階となっている算定区分を、「6カ月以内」(1250単位)に一本化。当該加算の算定期間(6カ月)を超えてリハビリを継続する場合に、加算算定終了の翌月から6カ月間、通所リハビリの基本報酬を1日当たり15%減算する措置は廃止する。