厚生労働省は5月14日、「第8期介護保険事業計画」(2021~23年度)における第1号被保険者の介護保険料について、全国平均(加重平均)で6014円になったと発表した。
第7期と比べると145円(2.5%)増え、初めて6000円を超えた。要介護高齢者の増加に伴い、第1号被保険者の保険料は上昇し続けており、制度開始当初の2911円から20年間でほぼ倍増した。厚労省の機械的試算によると、団塊の世代がすべて75歳以上になる25年度には6856円にまで上昇する見通し。
65歳以上の第1号被保険者の保険料は、介護保険事業計画の策定に合わせ、3年ごとに見直される。全国1571保険者中、第7期から保険料を引き上げたのは全体の48.6%に相当する763保険者。据え置きは569保険者(構成比36.2%)、引き下げは239保険者(15.2%)だった。階層別の分布状況をみると、「5501円以上~6000円以下」(488保険者・構成比31.1%)、「6001円以上~6500円以下」(366保険者・23.3%)、「5001円以上~5500円以下」(288保険者・18.3%)の順に多い。
保険者別の保険料で最も高かったのは、東京都青ヶ島村の9800円、次いで秋田県五城目町の8300円、福島県葛尾村の8200円など。最も低かったのは、北海道音威子府村と群馬県草津町の3300円で、これに東京都小笠原村の3374円、宮城県大河原町と埼玉県鳩山町の3800円が続く。最高額と最低額の間には約3倍の開きがあった。
一方、第8期介護保険事業計画などの全国集計によると、計画終了年度の23年度における第1号被保険者数は3610万人(20年度3573万人)、第1号被保険者の要介護(要支援)認定者数は715万人(667万人)、認定割合は19.8%(18.7%)となる見込み。サービス見込み量は、在宅介護391万人(20年度からの伸び率9%)、居住系サービス54万人(14%)、介護施設110万人(8%)―と推計されている。