社会保障審議会介護給付費分科会は7月28日、2021年度の「介護従事者処遇状況等調査」の実施案と調査票の案を了承した。今回の調査は、新型コロナウイルス感染症の影響を分析するための調査項目や選択肢を追加したほか、21年度介護報酬改定の内容を反映させ、「介護職員処遇改善加算」などの職場要件に関連した調査項目の見直しを行った。10月に調査を実施し、結果の公表は22年3月となる見通し。
また厚生労働省は同日の分科会で、居宅介護支援事業所を事業所単位で抽出してケアプランを検証する新たな仕組みの運用などを説明した。
従来から、生活援助中心型訪問介護の回数が平均的な回数を大きく上回るケアプランを検証する仕組みがあったが、21年度改定では、これに加え、区分支給限度基準額の利用割合が高く、訪問介護が利用サービスの大部分を占めるケアプランを作成する居宅介護支援事業所を事業所単位で抽出する仕組みを新設。事業所の抽出基準は大臣告示で定めるとしていた。
厚労省が示した大臣告示案によると、抽出対象になるのは▶区分支給限度基準額の利用割合が7割以上、▶サービス費の総額に占める訪問介護サービス費の割合が6割以上―のいずれにも該当する居宅介護支援事業所。基準に該当し、かつ市町村からの求めがあった事業所は、ケアプランの妥当性を検証し、ケアプランに訪問介護が必要な理由などを記載するとともに、当該ケアプランを市町村に届け出なければならない。施行は21年10月1日からで、厚労省は、全事業所の約3%が基準に該当すると見ている。