厚生労働省が8月31日に公表した2019年度の「介護保険事業報告(年報)」によると、20年3月末現在の第1号被保険者数は3555万人、うち要介護(要支援)認定を受けた者の割合は18.4%だったことが明らかになった。介護保険給付費は9兆9622億円で、前年度に比べて3.5%増えた。
要介護認定状況などをみると、20年3月末現在の65歳以上の第1号被保険者数は3555万人(前年度比0.8%増)、要介護(要支援)認定者数は669万人(1.6%増)。要介護(要支援)認定者の内訳は、第1号被保険者が656万人(1.6%増)、第2号被保険者が13万人(1.4%減)だった。認定を受けた第1号被保険者の88.9%は、75歳以上の後期高齢者。第1号被保険者に占める認定者の割合は18.4%(0.1ポイント増)となった。
1カ月平均のサービス受給者数は567万人となり、前年度に比べて2.3%増えた。サービス別の内訳は、居宅サービス384万人(前年度比2.7%増)、地域密着型サービス88万人(2.3%増)、施設介護サービス95万人(1.0%増)となっている(施設サービス以外は介護予防サービスを含む)。このうち、施設介護サービス受給者数の内訳は、介護老人福祉施設55万人(1.5%増)、介護老人保健施設35万人(0.4%減)、介護療養型医療施設3万人(24.6%減)、介護医療院1.6万人(295.5%増)と、介護医療院のサービス受給者数が大幅に増加。介護療養型医療施設などから介護医療院への転換が進んでいることが窺えた。
19年度の介護保険の費用額は10兆7812億円(3.3%増)、利用者負担を除いた給付費は9兆9622億円(3.5%増)だった。給付費の内訳は、居宅サービス4兆6722億円、地域密着型サービス1兆5992億円、施設介護サービス3兆810億円など。第1号被保険者の1人当たり給付費は前年度比2.6%増の28万円だった(いずれも高額介護サービス費、高額医療合算介護サービス費、特定入所者介護サービス費を含む)。