【質問者】
岡部信彦 川崎市健康安全研究所所長
【各方面からの情報提供・啓発等により,HPVワクチン被接種者数が増加傾向にある】
2021年5月現在,国内では3種類のHPVワクチンの接種が可能です。2価HPVワクチン(16/18型)は,2009年12月22日から10歳以上の女性に接種が始まり,2010年11月26日から小学校6年生~高校1年生相当年齢の女性に子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の一環として接種が行われました。また,4価HPVワクチン(6/11/16/18型)は,2011年8月26日から9歳以上の女性に接種が始まり,2価と同じく子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の一環で接種が行われました。
両ワクチンともに,2013年4月1日から予防接種法に基づく定期接種に導入されましたが,接種後に広範囲の痛みや,手足の動かしにくさ,不随意運動等を中心とする「多様な症状」がみられたことから,2013年6月14日に,適切な情報提供ができるまでの間は,積極的な勧奨を一時的に差し控えるべきとされました(積極的勧奨の差し控え)。その結果,被接種者数は激減しました(図1)1)。
残り1,097文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する