白血病は血液細胞ががん化した悪性腫瘍である。病型の分布が異なるものの,小児から成人までみられる疾患であり,小児の急性白血病の発症数はわが国で年間に600~900人と報告されている1)。治療の進歩により,長期生存率は着実に向上している。
治療戦略の決定や遂行には,白血病診断や化学療法に習熟した小児科医のもと,専門施設での治療が推奨される。
白血病細胞が増殖することで様々な症状がみられる。しかし,白血病の診断時にみられる症状は,発熱や疼痛,倦怠感など非特異的なものがほとんどであり,これらの症状が長引くことが診断の契機になることが多い。
血液検査にて,貧血や血小板減少などの血球の異常を伴うことが多い。白血病細胞は血算では白血球に含まれるため,白血球数は増加も減少もありえる。ただし,血球に異常がなくても白血病は否定できないことから,診断および鑑別のためには骨髄検査が必要である。骨髄で芽球が25%以上を占めることで白血病の診断がなされ,白血病細胞の表面形質などから急性リンパ性白血病,急性骨髄性白血病などの病型分類が行われる。
治療は多剤併用化学療法が中心となる。急性リンパ性白血病と急性骨髄性白血病の2つに大きく分類され,それぞれの病型に合った骨格での化学療法を実施する。再発の抑制と合併症の最小化を目的として,予後因子に基づいて予測される再発リスクごとに層別化治療を実施する。強力な多剤併用化学療法を安全に実施するために,適切な支持療法を併用する。
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