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進行肝内胆管癌の長期成績向上のための治療戦略

No.5093 (2021年12月04日発行) P.52

清水宏明 (帝京大学ちば総合医療センター 外科学(肝胆膵)講座教授)

久保木知 (千葉大学大学院医学研究院 臓器制御外科学教室(肝胆膵外科)講師)

登録日: 2021-12-06

最終更新日: 2021-11-30

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  • 肝内胆管癌(intrahepatic cholangiocarcinoma:ICC)に対する治療は根治的外科切除が基本ですが,リンパ節転移例,肝内転移例では,根治切除後であっても高率に再発転移をきたし,肝胆膵領域癌の中でも予後不良な疾患のひとつとされます。現状では,腫瘍の大きさ,局在などによる肝切除範囲,リンパ節郭清の意義,その郭清範囲などいまだ治療方針に一定の見解が得られていません。
    現状でのICCの長期成績向上のための術前・術後化学療法を含めた治療戦略についてご解説下さい。
    千葉大学・久保木 知先生にお願いします。

    【質問者】

    清水宏明 帝京大学ちば総合医療センター 外科学(肝胆膵)講座教授


    【回答】

    【肝内胆管癌は根治手術をめざすための集学的治療戦略が大切となる】

    ICCはR0切除が唯一の根治療法ですが,主要血管浸潤や高度リンパ節転移を伴う進行例ではR0切除が困難なことが少なくありません。また,R0切除が施行できても早期に再発する症例も多く,予後不良であるため,集学的治療戦略を立てることが重要です。

    当教室では術前にICCと診断した症例に対しては全例で12番から8番に加えて,左側ICCでは小弯リンパ節郭清を施行しています。当教室におけるICC術後の予後因子の検討では,肝内転移陽性,リンパ節転移陽性,組織学的脈管侵襲陽性,R1切除がICC術後の独立した予後因子として抽出されました。

    しかし,肝内転移陽性例でもR0切除後の5年生存率は約20%であり,積極的外科治療による予後改善が示唆されました。また,pN1症例でもR0切除後の予後は化学療法単独群より有意に良好で5年生存率は20%であり,特にcN0pN1症例では30%の5年生存率を認め,cN0症例に対する予防的リンパ節郭清の予後延長効果が示唆されました。

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