【質問者】
清水宏明 帝京大学ちば総合医療センター 外科学(肝胆膵)講座教授
【肝内胆管癌は根治手術をめざすための集学的治療戦略が大切となる】
ICCはR0切除が唯一の根治療法ですが,主要血管浸潤や高度リンパ節転移を伴う進行例ではR0切除が困難なことが少なくありません。また,R0切除が施行できても早期に再発する症例も多く,予後不良であるため,集学的治療戦略を立てることが重要です。
当教室では術前にICCと診断した症例に対しては全例で12番から8番に加えて,左側ICCでは小弯リンパ節郭清を施行しています。当教室におけるICC術後の予後因子の検討では,肝内転移陽性,リンパ節転移陽性,組織学的脈管侵襲陽性,R1切除がICC術後の独立した予後因子として抽出されました。
しかし,肝内転移陽性例でもR0切除後の5年生存率は約20%であり,積極的外科治療による予後改善が示唆されました。また,pN1症例でもR0切除後の予後は化学療法単独群より有意に良好で5年生存率は20%であり,特にcN0pN1症例では30%の5年生存率を認め,cN0症例に対する予防的リンパ節郭清の予後延長効果が示唆されました。
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