[執筆]花田敬士(JA尾道総合病院副院長)
判型:A4判
頁数:19頁
価格:880円(税込)
従来から膵癌は予後不良とされていますが、腫瘍径1cm未満では80%を超える5年生存率が報告されており、予後改善には早期診断が必要不可欠です。
広島県尾道市では、2007年から病診連携を生かした膵癌早期診断プロジェクト(尾道方式)を展開しています。危険因子のある患者さんに連携施設で腹部超音波などの検査を行い、所見に応じて積極的に中核施設での二次検査を行う取り組みです。その結果、外科的切除率の向上、ステージ0、Ⅰを含む早期診断例の増加、5年生存率の改善などの成績が得られています。
本コンテンツでは、早期診断例のために知っておきたい知識、尾道方式の具体的な内容・成績、他地区に拡散している膵癌早期診断プロジェクトの成績を分かりやすく解説しています。
膵癌の早期診断のために知っておきたい知識として、危険因子、ステージ0、Ⅰ膵癌の臨床徴候、画像所見、確定診断法、診断アルゴリズムを解説しています。実地臨床ではステージ0、Ⅰ膵癌を経験することが非常に少ないため、これらの知識を本コンテンツで共有し経験して頂くことは、明日からの先生方の実地診療において必ずお役に立つものと確信しています。
また病診連携の構築に関しては、今後、膵癌早期診断に取り組もうとする地域の皆様へお役に立つ内容としました。早期診断プロジェクト発足の経緯、その後の連携医への啓発、尾道市など行政の協力、プロジェクト展開後の障害と対策などに関して、具体的に解説しています。
尾道方式は全国に拡散が始まっております。是非、本コンテンツを参考にして頂き、膵癌早期診断の取り組みに加わって頂きたいと思います。