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良性発作性頭位めまい症[私の治療]

No.5098 (2022年01月08日発行) P.42

堤 剛 (東京医科歯科大学耳鼻咽喉科教授)

登録日: 2022-01-07

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  • 良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo:BPPV)は,頭位変換を誘因として持続時間の短いめまい発作を繰り返す疾患である。半規管内のデブリ(耳石と考えられている)が原因とされ,半規管内リンパ液中にデブリが浮遊する半規管結石症と,クプラにデブリが付着するクプラ結石症が病態として推定されている。

    ▶診断のポイント

    診察時に発作が観察できれば確実だが,受診時に発作がない症例も多く,その場合,詳細な病歴聴取がポイントとなる。頭位変化により誘発される短時間で持続性の回転性めまいを訴える。聴覚症状の変動は伴わない。
    発作が確認できる場合は,頭位(頭位変化)と眼振方向の組み合わせから原因半規管と病型(半規管結石症かクプラ結石症)を判定する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    発作の予防には理学療法が第一選択となる。そのためには頭位・頭位変換眼振検査にて発作が観察され,原因半規管が特定されている必要がある。後半規管型BPPVはそのほとんどが半規管結石症であり,Epley法やSemont法が用いられる。Brandt-Daroff法は患側が特定できない場合にも適用できるが,治療成績はEpley法やSemont法には劣る。一方で,外側半規管型BPPVは半規管結石症とクプラ結石症が混在する。外側半規管型半規管結石症に対してはLempert法が用いられる。外側半規管型クプラ結石症に対してはGufoni法が用いられるが,クプラに付着したデブリを確実に外す方法はなく,有効性には限界があるとされる。

    本来自然軽快することが多い疾患のため,理学療法によるめまい感や吐き気が高度である場合は無理には行わない。めまい発作の改善には薬物療法は無効とされているが,随伴する吐き気などには酔い止めや制吐薬が用いられる。
    難治例については手術(半規管遮断術)も選択肢となる。
    診察時に発作がなく原因半規管が特定できない場合は,頭部運動の励行など非特異的治療となる。

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