【質問者】
藥師寺祐介 関西医科大学神経内科学講座教授
【出血性病変と同様,虚血病変もCAA特異的ではないが,併せることで診断能が向上する】
CAAでは脳小血管へのアミロイドβの沈着によって軟髄膜血管や皮質・髄質動脈からの出血や灌流領域の梗塞が生じます。出血性病変については,従来から詳述されてきており,CAAのBoston診断基準でも皮質下出血,限局型脳表ヘモジデローシス(cortical superficial siderosis:cSS),脳葉型微小出血などが診断のマーカーと位置づけられています。一方,虚血病変については,診断的意義の検討が進行中です。
代表的な変化として第1に白質病変があります。CAAはアルツハイマー病の8割以上で認められ,アルツハイマー病ではCAAの分布に一致して後方優位の白質病変が脳室周囲に観察されます。脳血管へのアミロイド沈着はほぼ皮質領域に限局するため,皮質領域血管へのアミロイド沈着が,ボトルネック機序となって皮質下白質の慢性虚血を惹起することが原因と推測されています。
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