社会保障審議会介護保険部会は7日、事務負担を軽減するため要介護認定の仕組みを見直し、手続きを簡素化する方針で一致した。
厚生労働省は①更新認定の有効期間の延長、②状態安定者に対する二次判定手続きの簡素化─の2つを提案。①の有効期間の延長は、新規認定や区分変更認定の12カ月後、要介護度が変わらなかった者が4〜5割であることから、更新認定の有効期間の上限を現状の24カ月から36カ月に変更するもの。
②の二次判定の簡素化は、一次判定と二次判定で要介護度が変わらなかった者のうち、次の更新認定でも一次判定の結果が同じ要介護度だった者は、約96%が二次判定でも要介護度が変わらなかったことに着目。長期にわたって状態が安定している者については、二次判定の手続きを簡素化する。状態が安定しているか確認する際の具体的な要件は実態研究の結果を踏まえて決めるとした。
会合では見直し案に賛同するとともに「主治医意見書の提出が遅く、申請者が認定を受けるまでの期間が伸びている」という指摘が相次ぎ、医師の委員が謝罪する場面もあった。日本医師会常任理事の鈴木邦彦委員は「(意見書の記載に慣れていない)大病院の医師ではなく、かかりつけ医の活用を」と述べ、従来からの日医の主張につなげた。