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脊髄空洞症[私の治療]

No.5105 (2022年02月26日発行) P.49

名越慈人 (慶應義塾大学医学部整形外科学教室講師)

登録日: 2022-02-25

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  • 脊髄空洞症は,髄内に脳脊髄液が貯留し,大きな空洞を形成して脊髄の機能障害を引き起こす疾患である。発生原因として,髄液の循環動態の障害が考えられているが,いまだ不明な点も多い。

    ▶診断のポイント

    【原因疾患】

    特発性を除くと,原因疾患に続いて空洞が生じる続発的な病態がほとんどである。

    原因疾患:キアリ奇形(I型およびⅡ型,空洞症の約半数),Dandy-Walker症候群,水頭症,脊髄損傷,外傷後癒着性くも膜炎,感染性疾患(髄膜炎),炎症性疾患(横断性脊髄炎,多発性硬化症,サルコイドーシス),脊髄腫瘍〔髄内腫瘍(上衣腫,血管芽細胞腫),髄外腫瘍,くも膜囊胞〕,頚髄症,Klippel-Feil症候群,二分脊椎(脊髄係留症候群,脊髄髄膜瘤)

    【代表的症状】

    障害を受けた脊髄の部位によって,様々な症状が出現する。

    運動機能障害:筋力低下,筋萎縮,巧緻運動障害,痙性

    感覚機能障害:疼痛,知覚異常,しびれなどの異常感覚,異痛症

    その他の所見:反射異常,膀胱直腸障害

    【検査所見】

    脊髄空洞症の診断には,MRIが必須である。T1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号の広い領域が脊髄内に認められれば確定診断となる。

    空洞を認めた場合,原因疾患を特定する必要がある。空洞が長く,初回MRIで全体をとらえきれないときは,脊髄全長または他の脊髄高位における追加の画像検査が必要である。

    原因の特定が困難な場合,頭部MRIで水頭症を,頭頸部MRIでキアリ奇形(小脳扁桃の下垂)の有無を評価する。また腰仙椎部のMRIで脊髄係留症候群の有無を調べる。脊髄腫瘍では,造影剤を用いて腫瘍の存在を精査する必要がある。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    無症状または空洞が小さい場合は,治療を必要としない。経過観察中,症状の出現や増悪があれば治療を検討する。

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