COVID-19の治療薬・ワクチンの添付文書について3月に重要な改訂が行われた。
治療薬では、これまで「肺炎を有する患者」に限定していたギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬レムデシビル(商品名:ベクルリー点滴静注用100mg)の対象者に、「酸素投与を要しない患者であって、重症化リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者」を加え、軽症患者にも正式に使用できるようにした(3月18日付)。
用法・用量についても「症状発現から速やかに投与を開始し、3日目まで投与する」との文言を追加し、感染初期の患者への早期投与を可能にした。入院または死亡割合を87%低下させたという海外第3相試験の結果に基づくもの。
一方、ワクチンについては、海外での接種状況、有効性・安全性の報告を踏まえ、ファイザーのmRNAワクチン(商品名:コミナティ筋注)を追加接種(3回目接種)に使用する場合の対象年齢を「18歳以上」から「12歳以上」に拡大した(3月23日付)。
厚労省は25日より、同ワクチンによる12~17歳への追加接種を特例臨時接種に位置づけた。同省は自治体に対し「12~17歳の者のうち重症化リスクの高い者に対して3回目接種を特におすすめする」と呼びかけている。
レムデシビル(ベクルリー)適応拡大の根拠となった海外第3相試験
12歳以上18歳未満かつ体重40kg以上または18歳以上の重症化リスク因子を有するCOVID-19患者の入院または死因を問わない死亡の割合が、プラセボ群と比較して87%低下