2021年度の病床機能報告の集計結果によると、21年の総病床数は121.0万床となり、15年と比べると約4.1万床減ったことがわかった。地域医療構想の目標年である25年の総病床数は120.1万床で、約0.9万床の減少が見込まれる。計算方法が異なるために単純に比較することはできないが、地域医療構想における25年の必要病床数は119.1万床となっている。集計結果は6月16日の「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ(WG)」に報告された。
報告時点である21年の医療機能別の病床数は、▶高度急性期15.5万床(15年との比較・1.4万床減)、▶急性期54.9万床(4.7万床減)、▶回復期19.3万床(6.3万床増)、▶慢性期31.2万床(4.3万床減)。25年の見込病床数は、▶高度急性期16.0万床(21年との比較・0.5万床増)、▶急性期53.6万床(1.3万床減)、▶回復期20.6万床(1.3万床増)、▶慢性期29.9万床(1.3万床減)―となった。高度急性期と急性期を合わせた急性期医療を担う病床数は、15年が76.5万床、21年が70.4万床、25年が69.6万床―と慢性期病床とともに減少していくが、回復期病床は増加の見通しだ。
なお、地域医療構想における25年の医療機能別必要病床数は、▶高度急性期13.1万床、▶急性期40.1万床、▶回復期37.5万床、▶慢性期28.4万床―となっている。
WGでは幸野庄司構成員(健康保険組合連合会参与)が、25年の急性期(高度急性期含む)と回復期の病床数が病床機能報告と地域医療構想で差異があることを問題視。これに対して尾形裕也座長(九州大学名誉教授)は、「急性期が過剰、回復期が不足と捉われがちだが、例えば急性期を重症急性期と軽症急性期に分けるとかなり理想に近づいていると思う。見せ方の工夫が必要ではないか」と指摘した。
厚生労働省は同日のWGに、22年度の病床機能報告から「障害者施設等入院基本料」の算定病棟を「療養病棟入院基本料」の算定病棟などと同じく、「一般的には慢性期機能として報告するもの」として取り扱うことを提案。構成員から反対意見は出なかった。