社会保障審議会(介護給付費分科会)の「介護事業経営調査委員会」は7月14日、2022年度の「介護従事者処遇状況等調査」の実施案を大筋で了承した。今回は、従来からの「介護職員処遇改善加算」等に加えて、「介護職員処遇改善支援補助金」と「介護職員等ベースアップ等支援加算」の影響も検証する。調査の実施は12月、結果の公表は23年4月頃の予定で、24年度の次期介護報酬改定の基礎資料として活用する。
調査対象は、▶介護老人福祉施設、▶介護老人保健施設、▶介護療養型医療施設、▶介護医療院、▶訪問介護事業所、▶通所介護事業所、▶通所リハビリテーション事業所、▶特定施設入居者生活介護事業所、▶小規模多機能型居宅介護事業所、▶認知症対応型共同生活介護事業所―の各施設・事業所と、そこに所属する介護従事者等を層化無作為抽出法によってそれぞれ抽出する。
施設・事業所の調査では、新型コロナウイルス感染症が運営に及ぼした影響や、給与の状況、「介護職員処遇改善加算」と「特定処遇改善加算」の届出状況などに加え、介護職員1人当たり9000円(月額平均)の賃上げを目的とした「介護職員処遇改善支援補助金」(22年2~9月の賃上げ分)と「介護職員等ベースアップ等支援加算」(22年10月以降の賃上げ分)の届出状況も把握。具体的には、補助金・加算による賃金改善の実施方法や、処遇改善を行った職員の範囲、補助金・加算の届出を行わなかった場合はその理由―などを調べる。
これに対応して、介護従事者等の調査でも、補助金創設前の21年12月とベースアップ等支援加算導入前後の22年9月および22年12月の3時点の給与額等を調査項目に加えることにした。