(質問者:千葉県 M)
施設入所者の食事内容を決定する際に考慮するべき点としては,①嚥下の口腔・咽頭期における障害の有無,②義歯使用とその適合における問題の有無,③認知機能や四肢の運動障害があるために食事介助が必要か否か,があります。
①については,原因疾患などの背景から,ある程度の情報を得ることも大切ですが,顎口腔顔面の運動麻痺を口唇,舌,口蓋の反射や運動状態を診て判断します。また,簡易的な嚥下機能評価として反復唾液嚥下テスト(30秒間の唾液嚥下回数を計測する検査。3回以下を機能的問題ありとする)や改訂水飲みテスト(3mLの水を飲んだときの,むせの有無を調べる),フードテスト(ティースプーン1杯のプリンなどを食べたときの,口腔内やむせの有無を調べる)などがあります。これらの検査時にむせなどが生じて「問題あり」と判断された場合は,嚥下内視鏡検査での精査が望まれます。食事形態は,基本的に普通食,軟菜食,荒刻み食(一口大にカット),刻み食,極刻み食(刻み食よりも細かくカット),ムースまたはペースト食,ゼリー食などにわけられます。これらの名称は施設によって異なることがあり,実際に患者の食事場面を観察することで判断することが必須となります。
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