塩野義製薬は8月1日に開催した2022年度第1四半期決算説明会で、継続審議扱いとなっているCOVID-19治療薬「ゾコーバ錠125mg」(一般名:エンシトレルビル フマル酸)について、国際共同第2/3相試験の第3相パートの結果速報を9月中に入手するとの見通しを示した。
塩野義が「緊急承認制度」の枠組みで承認申請しているゾコーバ錠については、7月20日に開かれた薬事・食品衛生審議会薬事分科会と医薬品第二部会の合同会議で、「現時点では有効性が確定されると判断できない」との理由で継続審議とすることが決まった。
8月1日の説明会で塩野義の木山竜一経営戦略本部長は、現在実施中の第2/3相試験のうち第3相パート(軽症・中等症)には1821例の症例、第2b/3相パート(無症候・軽度症状)には607例の症例が登録されているとしながら、第3相パートの結果速報は「2022年上期中(=9月まで)に入手予定」と説明した。
欧米でも第2/3相試験結果に基づく早期申請に向けて米FDAや欧州医薬品庁(EMA)と協議を開始しているとし、中国でも平安塩野義が承認申請に向け資料提出を開始しているとした。 継続審議中のゾコーバ錠について後藤茂之厚労相は「第3相試験結果等が得られた場合には速やかに審議いただく」との考えを示している。
海外でのエンシトレルビル フマル酸(ゾコーバ錠)実用化に向けた塩野義の動き
【欧米】第2/3相試験結果に基づく早期申請に向けてFDA、EMA、MHRAと協議中
【中国】平安塩野義が承認申請に向け資料提出を開始
【韓国】ILDONG社が承認申請に向け当局相談に着手
【関連記事】