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アストラゼネカ:コロナ治療薬「エバシェルド」、発症抑制目的に限り医療機関に配分[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.5133 (2022年09月10日発行) P.15

登録日: 2022-09-07

最終更新日: 2022-09-07

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厚生労働省は8月30日、アストラゼネカが申請していた新型コロナ感染症(COVID-19)治療薬「エバシェルド筋注セット」(一般名:チキサゲビマブ/シルガビマブ)を特例承認した。

エバシェルドは、体内での半減期が長くなるように設計された中和抗体薬。アストラゼネカによると、作用の持続性が従来型の抗体と比べて3倍以上となり、効果が6カ月間持続するとされている。COVID-19の曝露前予防を適応として米国、EUなどで使用が許可されているが、治療薬として承認されたのは世界初となる。

効能・効果は「SARS-CoV-2による感染症およびその発症抑制」。発症後の治療目的では「重症化リスク因子を有する軽症〜中等症Ⅰの患者」、曝露前の発症抑制目的では「ワクチン接種が推奨されない者または免疫機能低下等によりワクチン接種で十分な免疫応答が得られない可能性がある者」が主な投与対象となる。

厚労省は9月1日付の事務連絡で、エバシェルドは安定供給が難しいことから一般流通は行わず、当面、同省が所有した上で「発症抑制目的での投与」に限って医療機関に配分する方針を示した。また、対象者にとって過度な負担にならないようにするため、投与時の自己負担分(手技料等)の徴収金額を3100円以下とすることに協力する医療機関に配分するとしている。

「エバシェルド」の用法・用量
【治療】チキサゲビマブとシルガビマブそれぞれ300mgを筋肉内注射
【発症抑制】それぞれ150mgを筋肉内注射。変異株の流行状況等に応じてそれぞれ300mgを筋肉内注射することもできる

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