当科受診5日前に左鼠径部痛が出現し,徐々に悪化したために翌日,近医整形外科を受診するも原因不明。受診2日前に38℃台の発熱が加わり,近医での骨盤部単純CTや骨盤部MRI(図1)でも原因特定できず当科紹介。高校でサッカー部に所属している。
当科受診時,疼痛のため歩行できず車椅子で入室。身体診察では左恥骨部に圧痛があり,腹直筋収縮や左股関節屈曲・内転・内旋の能動運動で著しく悪化するが,受動運動での悪化はない。また股関節の伸展・外転・外旋の受動運動でもやや悪化した。
血液検査の異常値は,WBC 11300/μL(分葉好中球優位),CRP 5.81mg/dL。