【質問者】
藤原俊哉 広島市立広島市民病院呼吸器外科部長
小児は成人と比べて胸腔内が狭く,胸壁から肺門までの距離が短く,肋間が狭いという特性があります。また,気管が細いため麻酔も問題となります。通常使用する分離肺換気のチューブを使用することができません。胸腔鏡手術を行うにあたり,これらの特性に注意する必要があると考えます。
(1)胸腔鏡
成人の場合は通常5〜10mmの硬性鏡を使用することが多いと思いますが,私たちの施設では,小児の場合は3mmの硬性鏡を使用しています。通常,3mmでは暗く,視野が狭いため安全に手術を行うことが難しいと考えられますが,小児の胸腔内は狭いため,3mmの狭い視野でも問題なく肺門周囲を適切に観察することができます。また,胸壁から肺門までの距離も近いため,光が弱い3 mmの硬性鏡でも十分に明るく見え,安全に手術を行うことができます。
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