政府は9月20日、新型コロナワクチンの初回接種(1回目・2回目)を完了し最終の接種から5カ月以上経過している12歳以上の者を対象に「オミクロン株対応ワクチン」の接種を開始した。当面は、これまでに4回目接種の対象とされていた高齢者や医療従事者等で未接種の者を対象に接種を進め、10月半ばをメドにそれ以外の住民への接種を開始、年内に全接種対象者が接種可能となる体制を整備する方針だ。
オミクロン株対応ワクチンの接種に使用されるのは、ファイザー社の「コミナティRTU筋注」とモデルナ社の「スパイクバックス筋注」。いずれもオミクロン株BA.1と従来株に対応した2価ワクチンで、9月12日に正式に承認された。ファイザー製ワクチンは12歳以上、モデルナ製ワクチンは18歳以上に使用できる。
ファイザーはオミクロン株BA.4/5と従来株に対応した2価ワクチンも開発し、9月13日に承認申請している。
厚労省はBA.1対応型ワクチンとBA.4/5対応型ワクチンについて「オミクロンの種類(BA.1とBA.4/5)にかかわらず、オミクロン株成分を含むことで従来型ワクチンを上回る効果があり、今後の変異株に対しても有効である可能性がより高いことが期待されている」といずれも効果があるとの見解を示し、BA.4/5対応型の承認を待たずにオミクロン株対応ワクチンの接種を進めるよう全国の自治体に呼びかけている。
PMDA(医薬品医療機器総合機構)は、ファイザー製とモデルナ製のオミクロン株対応2価ワクチンについて「オミクロン株に対し一定の重症化予防効果が期待でき、特に発症予防効果については従来型ワクチンと比較して効果が高い可能性がある」と評価している。