在宅患者を一人看取れば10万円(10000点)になる!? 驚くようなことが現実になったのが,2006年の診療報酬改定でした。改訂内容のFAXが送られてきて驚いたことを,今でも鮮明に覚えています。これがターミナルケア加算の創設でした。
病院での看取りが8割を超えていた時代に厚生労働省が,在宅医療の普及と住み慣れた場所での看取りを推進するために舵を切った大きな政策でした。その後,2012年には,機能強化型在宅療養支援診療所(在支診)・在宅療養支援病院(在支病)制度が創設され,ターミナルケア加算が在宅ターミナルケア加算と看取り加算(いずれも在宅患者訪問診療料の加算)の2つにわかれました。連携型の機能強化型在支診などでターミナルケアを行った労力と最後に看取った労力を2段階で評価したのです。その後,機能強化型在支診の分類によって段階的にターミナルケア加算は分類されましたが,現在でも最高でターミナルケア加算6500点+看取り加算3000点,併せて9500点が算定できます(表1,2)。