医療機関にとって未収金の回収は大きな課題です。「医者は金持ち」「病院はつぶれない」「金がなくても診療に応じてくれる」といった考えが根底にある患者が多いことも原因ですが,積極的に回収に努めなかった医療機関にも原因があるのでは,と考えてしまうこともあります。
会計担当 : Aさんのお宅でしょうか?B病院の会計担当Cです。本日は先月入院していたときの医療費が未納となっておりますので,お支払いして頂きたく電話させて頂きました。支払い期日が過ぎておりますので,至急お支払い願います。
患 者 :未納なのはわかっているので,もう少し待ってくれ!
会計担当 : もう少しもう少しと言って,これで3回目ですよ。いつになったら支払って頂けるのですか?
患 者 :しつこいな……こっちも今お金に余裕がないんだよ!
①本日はいつになったらお支払い頂けるのかお聞かせ下さい。このまま未払いの状態が続くと法的措置に移行せざるをえない状況となりますことをご承知おき下さい。
②退院の際,誓約書を作成して頂いたときに指定の期日までにはお支払いできるとおっしゃっていましたね。お支払い困難な状況であれば相談にも応じますので,一度来院して下さい。このままの状態ですと,Aさんの今後の治療にも影響がおよびます。
未収金は「お金がない」で済ませられる問題ではありません。「塵も積もれば山となる」という諺のように,少額の未収金だからと言ってそのままの状態にしていては,ますます未収金が増えていくだけです。①のように法的措置をちらつかせることは患者に敵対意識を持たせることにもなります。②のように患者がどのような生活状況なのか伺い,どうすれば支払えるのか患者に寄り添った対応が必要な場合もあると思います。