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糖尿病に四肢のしびれと筋力低下をきたした53歳男性［鑑別診断塾入門（43）］
【現病歴】X-1年，両足の指先のびりびり感を自覚し，ペットボトルのふたが開けにくくなり，びりびり感は徐々に膝下まで上行した。糖尿病を指摘されリナグリプチン開始となる。X-9カ月，爪先が挙がらず，つまずきやすくなった。X-6カ月，糖尿病性眼症の評価目的で眼科を受診し，糖尿病性網膜症は福田分類A0／A0であったが，左うっ血乳頭を指摘された。X-5カ月，爪先がまったく挙がらず歩行が困難となった。両手の指先から肘付近までのびりびり感が出現。両手も筋力低下し，スプーンで食事をするようになった。X-4カ月，四肢の末端が赤褐色調に変わってきた。X-2カ月，両下腿のむくみと下痢が出現した。その後，筋力低下が進行したため精査目的で当院に入院。
【既往歴】【家族歴】特記事項なし。
【内服薬】リナグリプチン5mg，リマプロストアルファデクス15μg，エパルレスタット150mg，ビタメジン®3C，クロナゼパム1.5mg
【生活歴】電気工事工。X-2カ月まで飲酒3合／日。
【バイタルサイン】GCS：E4V5M6，BP 100／68mmHg，PR 83／min（整），RR 16／min，BT 36.7℃，SpO2 97％（RA），意識清明
【身体所見】四肢：両下腿に圧痕浮腫あり。四肢赤褐色の色素沈着。神経：上肢近位筋5／5，遠位筋4／4，下肢腰帯筋4／4，下肢近位筋4／4，遠位筋1／1，四肢遠位優位に異常感覚，感覚過敏あり。四肢深部腱反射の低下。病的反射なし。
キーワード
・慢性
・糖尿病
・四肢遠位優位の異常感覚
・発症早期からの四肢遠位優位の筋力低下
・深部腱反射低下
・うっ血乳頭
・四肢赤褐色の色素沈着
・下痢
・両下腿圧痕浮腫
考えられる診断は？
A. 糖尿病性ニューロパチー
B. ビタミンB1欠乏性ニューロパチー
C. アルコール性ニューロパチー
D. POEMS症候群
E. 慢性炎症性脱髄性ニューロパチー
