社会保障審議会介護給付費分科会は4月27日、新型コロナウイルス感染症に対応した介護報酬上の特例について、5類感染症に移行後の取扱いを決めた。感染拡大時の安定的なサービス提供に必須と考えられる特例は当面継続させた一方、特例がなくてもサービス提供に支障がない取扱いは5月7日をもって終了した。
5類移行後も当面の間継続させたのは、(1)ワクチン接種促進のための特例(利用者等への接種に職員が従事する場合の人員基準の柔軟な取扱いなど)、(2)退院患者の受入れ促進(退院患者を施設等に受け入れた場合の「入退所前連携加算(最大30日)」の算定や人員基準の柔軟な取扱い)、(3)入退所の制限による影響(入所系サービスの在宅復帰率、ベッド回転率に連動する報酬について、影響を受けた月を除いての計算を可能とする取扱い)、(4)訪問への切り替え(通所系サービスの事業所が休業となり、代替として訪問でサービスを提供した場合に、通所サービスと同等の報酬算定を認める)―といった取扱い。
新型コロナの影響を受けた場合に人員基準の違反・減算を適用しない特例は、新型コロナ患者へのサービス提供の有無を問わず、幅広く新型コロナの影響があった場合を対象にするとしたこれまでの取扱いを変更。適用対象を「利用者や従事者に新型コロナ患者が発生した場合」に限定するよう見直した。研修が受けられない場合の特例も、オンラインによる研修環境が改善された点を考慮して、オンラインでの研修受講が困難な実習・実地研修に限り、新型コロナの影響によって未受講の場合に、人員基準違反・減算としない取扱いとした。
一方、(1)入所系サービスにおいて新型コロナの影響で自宅を訪問できない場合も連携に関する加算の算定を認める、(2)モニタリングや「訪問体制強化加算」について、訪問が困難な場合にも一定の報酬の算定を認める―などのサービスの簡略化などに関する特例は終了することになった。