社会保障審議会介護給付費分科会は5月24日、2024年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方の案を了承した。それによると、6月から主な論点についての議論を開始。9月頃に行う事業者団体などからのヒアリングの結果も踏まえながら、10月以降は具体的な方向性に関する議論を深める。報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・とりまとめは12月中となる予定で、その後、来年度予算の編成過程での改定率の決定を経て、翌24年1月を目途に介護報酬改定案を諮問・答申する。
議論するテーマは、介護保険部会が22年12月にとりまとめた「介護保険制度の見直しに関する意見」に記載された項目のうち、(1)複数の在宅サービス(訪問や通所系サービスなど)を組み合わせて提供する複合型サービスの類型の新設、(2)施設入所者への医療提供、(3)科学的介護の推進、(4)施設や在宅におけるテクノロジーの活用、(5)介護現場のタスクシェア・タスクシフティング、(6)経営の大規模化・協働化、(7)介護老人保健施設や介護医療院の多床室への室料負担導入の是非―などを想定している。
これらに加え分野横断的なテーマとして、(8)地域包括ケアシステムの深化・推進、(9)自立支援・重度化防止を重視した質の高い介護サービスの推進、(10)介護人材の確保と介護現場の生産性の向上、(11)制度の安定性・持続可能性の確保―についても議論することが同日の分科会で了承された。